広田 ちゆき　Chiyuki Hirota

自然物の断面を見るのが好きです。
断面から見える幾重にも重なる層、その奥に続く世界や積み重ねてきた歴史の様なものを垣間見ることが出来、ずっと見ていたい気持ちになります。外見からでは想像つかない自然物の美しい断面を、果物という身近なモチーフでガラスで作りたいと思い制作しています。レモン、オレンジ、酢橘、いちじく・・・と果物をガラスで作ってきましたが今回は新たにキウイが登場します。さらに断面をより良い形で見せたくて、今回はケーキや寒天といったスイーツに見立てて新作を作りました。

作品紹介にも記載していますが、フランスでお菓子・ケーキ屋を巡る旅行をしたことがあります。当時のことを思い出しながらデザインを考えましたが、ケーキを調べれば調べるほど造形的に美しく面白い形のものが出てきて想像をかき立てられ、どんどんとアイデアが浮かんできてとても楽しかったです。パリの可愛らしいケーキ達とまた出会える事を夢見ながら楽しく制作しました。是非ご覧ください。

小林 利華　Rika Kobayashi

私はやわらかいガラスが好きです。
いつも制作するとき、完成形はイメージでしかなく、あとは自由に動くガラスを触りながら手探りで進むことが多いです。ほんの少しタイミングが違うだけで、その度に違う表情を見せてくれるガラスは、時に意思を持って生きているかのように感じます。

今回の展示会では、「食べる」ということを広く解釈し、制作に取り組みました。
ガラスのやわらかさを生かした、見ていて楽しくなるようなオブジェや、思わず使いたくなるようなうつわ等を目指したので、皆様のおうちで過ごす時間が少しでも豊かなものになりますと幸いです。ぜひごゆっくりご覧になってお楽しみください。